ネットとリアルにおける出会いの質の違い

 いかんいかん、がちで優先順位つけていろんなことを同時多発的にこなさないと2007年が終わらないし、2008年が始まらない。あっ同時多発的ではだめだわね。w
 余談はおいといて。1週間ぶりになってしまった。
 昨日講義で、リアルな出会いとネット上での出会いってぜんぜん質の違うもんだよね、っていう話を聞いておもしろかったのでそれについて、怒られない程度にほどほどに書いてみようかと。 

 結論から言うと、リアルの出会いは人間の外側からなんだけど、ネットの出会いって内側からなんですよねってことなんです。
 

リアルの出会いって言うのは、
外見・社会的な地位→個人情報(メアドとか)→その人の考え・価値観
って言う順序でその人と徐々に深く関わっていくものなんだけれども、ネットの出会いの場合、逆なんです。
その人の価値観・考え方→個人情報・外見・社会的な地位(この3つは多少前後する)
の順序で人と出会い、かかわりを持つことになる。

 講義で聞いたのは大体こういうことです。

 なおネットの出会いの際、順序が前後する時に働くのが匿名性のあり方です。匿名性を重視した媒体になればなるほど、個人情報や顔写真をさらす人の数は減り、ますますその人の考え・価値観や考えがドミナントな出会いの形をとります。2chよりかはブログのほうが匿名性はもちろん薄れるし、そのブログでも実名でやっていたり顔写真が載ってたりしたらどちらかというとリアルな出会いに近いものになってくるし、逆に匿名性の強い媒体では価値観や考え方のウエイトが大きくなります。むしろ価値観や自分の考えはリアルな世界よりもネットの世界のほうにあふれかえっています。いずれにしても価値観や考えのドミナントな出会いの形をとるのがネットでの出会いの特徴といえるわけです。
 で、この概念には結構汎用性があるんじゃないのかなと考えています。ネット上で、同好の士が集まりやすいのも、似たようなことですがサイバーカスケードが発生しやすいのも、ユーザー同士が価値観を第一の手がかりとしてつながっていくからであって、その延長線上で問題になっている炎上とか何とかいった問題も、顔の無い似通った価値観がわっと押し寄せる状態にほかなりません。
 そもそもリアルな世界では、みんな大体自分の社会的な地位の中(会社員ネットワーク、主婦ネットワーク、DQNネットワークなどなど)に収まっているもので、その社会的な地位の中で培われ、裏づけされた価値観を共有し、その価値観でもって考えを表明したりコミュニケーションしたりするもんなんです。しかしネットのコミュニケーションは、いわば価値観や考えのみが一人歩きしている状態で、その人の社会的な背景はある程度すっ飛ばされます。だからこそ匿名性が強くなると無責任な発言が増えるわけで、逆を言えば、そこに何かリアルな要素がついてくると、発言が一気に現実味や説得力を帯びたものになります。その現実味だったり説得力だったりというものは、プラスにもマイナスにも働くもので、それがマイナスに働いたものが炎上だったりするんじゃないのかなあと思います。
 まとまりきらんので無理やりまとめますがこういうことがいえるんじゃないでしょうか。

リアル:その人物の第一印象=外見+社会的な地位+(価値観・考え・性格)
※カッコ内はその人との関わり具合に応じて増えたり減ったりする。
ネット:その人物の第一印象=価値観・考え・性格×(社会的な地位)×(外見)
※カッコ内はもっぱらその人が晒しているか否かによって決まる。

 ネットの符号が×になっているのは、否応なしに可視化されてしまっているからです。深く関わらないと垣間見ることのできない考えや価値観に、直接アクセスできる、そんな状態にリアルな要素がくっついてくるとその価値観・考えも急激にリアライズされる。そういう理由です。