今、あえて語るプチ2ちゃんねる論

 去年ぐらいからずっと「2ちゃんねると社会との関わり・2ちゃんねるを取り巻いていたネガティブな「意識」の変遷・また、それに伴って今後起こるであろう現実社会との軋轢」について、下記の3つを手がかりに考えてきました。
①ネットコミュニケーション空間そのものが変化したことによって生まれた「オープンな2ちゃんねる空間」の誕生。つまり2ちゃんねる内の情報を媒介するハブサイトの登場によって、それまでよりも手軽に2ちゃんねる内の情報にコミットできる状況が生まれた。その一方で、それまでの2ちゃんねるユーザーに存在していた、2ちゃんねるに対する「帰属意識」は薄れることにつながったのではないか。
2chの言論と社会の相関。2ちゃんねるの言論は基本的に罵詈雑言であり、「便所の落書」と揶揄されることもしばしばあるが、その本質は日本人が実社会では口に出せない「本音」が可視化されたものであり、そうした「水面下で共有された不満」が実社会において何らかの影響を及ぼすことがありうる。例えば、マスコミで報道される「建前の言論」に対して、疑問や違和感を感じる人が増加するかもしれない。ただ、①により2ちゃんねるに対する帰属意識は薄れていると考えられるので、かつて存在していたような2ちゃんねる発の「大々的な、実社会で行われる」フラッシュモブは影を潜めることになるだろう。(代わって、毎日新聞捏造記事事件の際にあった電凸のような、個々人の行動の結集によって実社会に何らかの影響が及ぶ、というパターンが今後多くなるのではないか?)
③それまで2ちゃんねるの構成要素の一翼を担い、2ちゃんねるの気持ち悪さの一因となっていた、アニメ・サブカルチャー・PC・ゲームといった非モテでネガティブなオタク文化のイメージが、ニコニコ動画などの登場により徐々に薄らいでいる。ニコニコ動画の画面に流れるコメントは、2ちゃんねるで使われるスラングと多くの部分で共通しており、それが人々と2ちゃんねるをつなぐ一種の媒介要素として機能しているのではないか。
 これらのことから、
2ちゃんねるは個々人にとっては不満・問題意識の共有や、知り得ない情報を得る手立てとして有効に機能するが、社会はそれによって変容を迫られたり、何らかの軋轢が生じることもあるかもしれない」
という結論を導いたわけなんですが、ここからどういう風に進めていこうかねぇ。
 メディア論・サブカル論・ネットワーク論・ないしポストモダンの文脈あたりを手がかりにしたいのですがなんとなく自分の興味がそこらへんで分散してちりぢりになっちゃってる所があるので非常に進めずらいです。
 いや、ソツロン*1の話なんですがね。こういう話題はナーバスにならざるを得ないです。

*1:あえてカタカナで。