わざわざ人目のつくところに喫煙シェルターを作る悪趣味

 今日久しぶりに大学に行ったんだ。学校に喫煙シェルターなるものが出来ててそこでおっかなびっくり一服やってみたんだが、スモーカーの立場から一言言わせてもらおうじゃないか。
こ れ は ひ ど い。
 人目につくような場所にガラス張り。通り過ぎるひとびとの視線が痛い。
 もうね、見世物状態。動物園のオリのなかの動物状態。
 これはね、もうね、狙ってやってるとしか思えないぜ。
 別に分煙には大賛成なんだよ俺は。タバコは健康には悪いことも承知だし、副流煙が主流煙より健康に悪いのも知ってるし、煙いやだな〜って思ってる人がいるのも分かる。タバコなんて吸うもんじゃないよ。百害あって一利ないよ。ただ俺は周りの人に気を使いながら、喫煙所でタバコを吸ってる、それだけのことだったんだよ。
 問題はなぜそれを人目につく場所に作ったかだよ。俺が分からないのは、わざわざ人目のつくところに喫煙シェルターを作る根性だよ。
 煙がいやっていうならそれこそ隔離しといてほしいし、そっちのほうがだいぶ気が楽なんよ。
 シェルターを作ることは賛成だけど、もっと場所考えられなかったなぁーというのが今回の主張です。
 喫煙シェルターが出来る前、喫煙所はもっと建物の隅っこのほうにあって、結構隔離された場所にあったんですね。へんぴな場所にあるから、喫煙者以外は寄り付かないし、煙たいのもそこだけだったし、何より吸ってない人の存在を気にせずに吸えて、非常に居心地が良かった。もちろん嫌煙な方たちにとっても、煙を意識しなくてすむので、いらん心配をせずに済んでたと思うんです。
 それを無理くり表に、人目のつくところに引っ張り出してきたらお互いに居心地悪くなるのは、はっきしいって目に見えてるじゃないですか。
 喫煙者はシェルターのドアをあける時にシェルターの中から漏れるにおいにさえ気を使わなくちゃいけないし、さっきも言ったようにシェルターの外からは奇異の目で見つめられるし、落ち着いてタバコも吸えたもんじゃない。方や嫌煙者は、今まで目に入らなかった喫煙者の喫煙シーンをいやでも目の当たりにしなきゃいけないことになるし、さらに嫌煙感情を増幅させることにもつながるだろう。
 いいんだよ俺は好き好んでタバコを吸ってるから。問題なのは、そういう風に好き好んでタバコを吸ってる自分の姿を何でわざわざ忌み嫌う人の前に晒さなきゃいけないんだっていうね。喫煙者と嫌煙者の間に妙な権力関係が生じちゃってるんですわ。これが禁煙ファシズムってやつか。どうやら俺の大学ではキャンパス内全面禁煙を201X年に目指しているらしい。
 やはりこの妙な権力構造を作ることで嫌煙感情をあおることが狙いなのか。それが狙いなのか。
 真意は分かりかねるけど、嫌煙者の感情ももちろん汲まなきゃいけないし、常識的に考えればタバコは吸わないに越したことはないし、そういう空気ならそれに従わざるを得ないわけです。
 世知辛いなぁ。

追記:別にこれが駅の待合室とか、ある程度公共的で周りに知り合いのいない空間なら俺もそこまで気にすることはありません。それが、キャンパスの中だからなんとなく気まずいのです。知り合いだらけ、顔見知りだらけだから。