ネット(いわゆるweb2.0)がもたらした恩恵。

これがいったい現実社会におけるどういう人たちに幸せをもたらすのか。っていうのがゼミでの僕の研究テーマなわけですけれども。ここ1週間ぐらいそれをちょくちょく考えてはいるもののよくわからない。今日また発表なのでここに書きがてら僕の頭の中を整理することにします。

大まかな予想(仮説)

仮説はなんとなく立てることができる。

  • 地方在住の人ほどネットによる恩恵が大きいって言うのはわかる。僕も田舎育ちだったから、周囲に娯楽もないし、そういう人に情報発信と不特定多数とのコミュニケーションの機会が与えられたのはとてもでかい。今までちょっといい服買おうと思ったらデパートまでわざわざ行かなきゃいけなかったのが、いまやネット上で買い物もできるしね。都市と地方の格差ってのは、情報の量だけとってみれば確実にとりはらわれている。何もない田舎でmixiのあるのとないのとでは大違いです。
  • ウェブ進化論に載ってた羽生さんのいわゆる高速道路論の話で、何かを思い切り勉強しようと思っている学生にとっては、知の世界に張り巡らされたネットの高速道路をフルに活用することで、これまでよりも格段に知識習得のスピードが早まってきているといえる。いつもあげられる例がソースコードの公開とか。でも確かに高速道路のしかれている分野としかれていない分野はあるかもしれない。あるいはしきようのない分野とか。六法全書とか、確実に本で見たほうがいいだろうし。車の運転みたいな実技系の勉強は、体で覚えなきゃ仕方がないし。
  • 検索連動型広告の登場によりニッチな市場を狙えることになったことで、パレートの法則では切り捨てられていたごくわずかなニーズに的確に答えられるようになり、そのわずかなニーズの塵を山にして利益を得る人が現れた。これは売る側だけじゃなくて買う側にも恩恵をもたらすものであり、例えば人とは違うすっごい変わった趣味を持った人とかは確実に肩身が広くなったと思う。

こうして書いてみて思うのはやはり、パレートの法則によってリアル社会で苦境を強いられてきたロングテールたちのほうが、よりネットによる恩恵を受けやすいのかなってことです。それはなんとなくわかります。

例外

でもこの範疇に当てはまらない人もいて、

  • 例えば同じリアル社会で苦境を強いられている人でも経済的に困窮してパソコンがなくて、ネット環境を持ち合わせていない人なんかは話にならない。この研究テーマの仮説を考える段階で、ネットはリアルで経済力のある人よりも経済力のない人により恩恵をもたらすんじゃないかって仮説を立てたんですけど、それは違うんじゃないかなって気が最近してきました。いくら金持ちでもネットをフル活用する人は山ほどいそうだし。ネットはそれ自体では何も儲かりません。それによって築かれたネットワークを活用することによって儲かる。そのことが最近になってようやくわかりました。ネットは経済力を増幅させるのではなく、不特定多数のネットワークを増幅させる装置であり、それ自体も恩恵だし、それに経済的な利益がおまけとしてついてくるのも恩恵なんだと思います。裏を返せば、金持ちはたいがい人脈も持ち合わせているもんだってことですかね。つまり良質なネットワークを持ち合わせている人は持ち合わせていない人よりも経済的に豊かになるってこと。そのチャンスが”パソコンを持つ”万人に開かれたって言うのはひとつのweb2.0の特長かもしれません。
  • リテラシーがあるにもかかわらずネットを積極的に使っていない人がいる。これがなんでなのかがよくわからない。何でネットを積極的に利用していない人がいるのか。リアルのネットワークに満足しているのか。僕も一応リアルのネットワークは満足している。なのに僕がネットで新しいネットワークを構築しようとしている理由は何だろう。もうひとつ言うとmixiなんて現実世界のネットワークの再構築なのになんでみんなやってるんだろう。なんでなんだろう。ちょっと考えたらわかりそうですが今日はもう考え疲れました。

こういったことが僕の個人研究のテーマなんですけど、こうやってだらだら書くことはできてもどのようにして数字なりデータなり理論なりで証明すればいいのかがわからないんです。ゼミの先生いわくよい研究は論理またはデータがちゃんとしているか否かで決まるそうで。まだこの研究をどのように論理的統計的に証明すればいいのか、まだよくわからない状態ではあります。