iphone 衝撃のビジネスモデル

最近筒井ゼミのなかではITのスペシャリストを自負していますシブヤです。今日は書評です。

iPhone 衝撃のビジネスモデル (光文社新書)

iPhone 衝撃のビジネスモデル (光文社新書)

iphoneが果たしてこれだけ社会のユビキタス化を促進する集約型インタフェースモデルになりうるか、と言われると少し疑問ではあるけど未来に対する期待はなんとなく膨らんだのでよかったです。それまで梅田望夫さんの著書を読んだりして、あーすごいなぁと思っていたけれど、彼と比べると、web2.0の流れに対して懐疑的で*1、例えばweb2.0的なシステムやインタフェースはあってもweb2.0的な収益モデルのない点、web2.0サービスは利用者を集めるための客寄せパンダに過ぎないと指摘した点、web2.0サービスは先行者優位である点、オープンソースで作られたフリーソフトの責任の所在のなさなど、
僕に新しい見方を与えてくれたという点でとても面白く読ませていただきました。サーノフの法則*2メトカーフの法則*3が知れただけでもうれしいです。
web1.0から2.0にシフトする中で、webの根幹を成すサービスはポータル的なものからインフラ的なものにシフトしてきたんじゃないかなと僕は思うけど、この本を読んで、結局どっちもユーザーの囲い込みなのかなってことを最近思いはじめました。
お客を寄せ集めるものが、コンテンツから、テクノロジーや利用人数へと変わったって事ですね。以下本文引用です。

ビジネスの開始が先行し、十分に利用者を集めた事業者Aと、後発してビジネスを開始したばかりの事業者Bが存在した場合、ユーザはどちらのネットワークに参加するだろうか。合理的な判断をするならば、ほとんどのユーザが事業者Aのネットワークに参加するはずである。

だから先行者優位なんだと。特に双方向のつながりを重んじるようなネットワークならサーノフの法則よりもメトカーフの法則が働くので、この傾向は顕著である、と言うことが非常に面白い。
amazonにしたってwikipediaにしたってyoutubeにしたってmixiにしたって、不特定多数の人がレビューなり投稿なり参加なりしないと何にも面白くない。人が集まることで面白くなる。そういうことです。

*1:と言うよりも著者はどちらかと言うとmobile2.0の可能性により魅力を感じているのかもしれない

*2:google:サーノフの法則

*3:google:メトカーフの法則