ブログをやってたら就活にいいことはあるのか・3

 今、ゼミでこのテーマで個人研究を進めています。や、進めているというのは語弊があるか。なんとなく行き詰っている。ゼミ内でもそろそろ、大まかな結論を出す段階になってきて、若干焦っています。いくら闇雲に焦っても、行き詰っているんだから結論も出しようもない。またここで考えてみるしかない。

 もう一度ウェブ進化論のこの節を引用してみる。

もう一つ重要なのは、ブログは個にとっての大いなる成長の場であるということだ。
fladdict.net blogの「知的生産性のツールとしてのブログ」という文章がある。ブログを書き続けることによる自らの成長がこんなふうに書かれている。

「実際ブログを書くという行為は恐ろしい勢いで本人を成長させる。これはこの一年半の過程で身をもって実感した。(中略)ブログを通して自分が学習した最大のことは、『自分がお金に変換できない情報やアイデアは、溜め込むよりも無料放出することで(無形の)大きな利益を得られる』ということに尽きると思う。」

(中略)「個人にとってのオープンソースとかブログとはなにか。それはポートフォリオであり、面接であり、己の能力と生き様がそのままプレゼンテーションの装置として機能する。転職活動をする場合、相手が読者ならば自己へのコンセンサスがある状態から交渉を得られる。それだけのものを、金も人脈も後ろ盾の無い人間が手に入れる唯一の手段が、情報の開示なのだと思う。」
ブログをやってたら就活にいいことはあるのか

 ひとつ僕が危惧していることは、このテーマは結局「いいブログを書くにはどうすればよいか」という方法論的な結論に落ち着いてしまうのではないかということです。自身のブログが「ポートフォリオ」、「面接」の役割を果たし、「そのままプレゼンテーションの装置として機能」し、「転職活動(自分の場合は就職活動)をする場合、相手が読者ならば自己へのコンセンサスがある状態から交渉を得られる」かどうかは結局自分のブログの質の問題に関わってくると思うんですよ。質のいい記事、あるいはウケのいい記事を量産できるブログはいいブログとして評価され、そうでないものは評価されない。ブログの質を図るひとつの指標は、ソーシャルブックマークになるわけですが、ブクマをたくさんつける質のいいブログをコンスタントに書こうと思ったら、それなりに頭がよくないといけない。僕は大学生なのだからそこらへんの限界は知れている。あるいは、ブロゴスフィア、あるいははてな界隈で話題になっている話を拾ってきて、そこに考察も交えつつ自分なりに面白おかしくか書けなければいけない。また読者もちゃんとつけなくちゃいけない。毎回ブクマをつけさせようと思ったら、常連の存在も重要になってくるだろう。ある程度の「はてな住民化」も避けられないかもしれない。
 やっぱり夢のない話になってきたではないか。結局、ブログが就職にまで影響力を及ぼすにはそれなりの質も求められるということではないのか。 
 「情報を開示」するにも開示していい情報と、開示するのはやめといたほうがいい情報があるし。ブログは、リアルな世界に対してプラスに働きかけるだけではない。マイナスに働きかける可能性だってある。自分や周囲にとって不都合なことはもちろんあえて書く必要もない。
 そもそもブログというものはそれ自体で作用するものではなくて、何かほかの仕事の片手間にやっていて初めて効果をなすものなんだと思うんですよ。というかそれが普通の使い方だと思うんですけどね。こんなこと少し考えたらわかりそうなことなのですが7月28日時点で気づかなかった俺は本当に残念。

ボランティアサークルとかコミュニティFMとかをやってることとかに比べたら、ブログなんてすっごい地味なものであり、業績とか活動とかがリアルの目に見えにくいものであり、それをなんとなく拠り所にしてて果たしていいものなのかと思うわけで。「僕のブログ、はてブ○○件ついてて1日○○人見に来るんですよー^^」って言っても、詳しくない人からしてみればそれがすごいのかすごくないのかわからない。だから目に見えにくい。
ブログをやってたら就活にいいことはあるのか

 はっきり言ってブログはボランティアサークルやコミュニティFMほどの拠り所、というか就職の際のアドバンテージにはならない。そりゃリアルでいろいろしてたほうがいいに決まってるよ。むしろブログはそういったリアルの活動と合わせて使うことではじめて効果をなすものだと思う。大学生という身分でいろいろなことをやる傍らでその体験をしたためていくのが一番効果的な使い方ではなかろうか。頭の良さやら考察の質に頼らずにやろうと思ったら必然的にそうなるのではないか。深い考察ができるようになるためにはそれなりのリアルな経験や学術研究的な裏打ちがないとうまくいかない気がする。どっちにしたって専門家や業界の人にはかないっこないので大学生ならではの切り口で持って物を言っていかなくちゃいけないのかな、とも思ったり。
 だとすれば俺は効果的な使い方をしていないということか。でもそんなことは認めたくないのでもう少し考えてみる。