ネットでもリアルでも本領を発揮しづらいインディーズミュージック〜恐竜の首と尻尾の間にとりのこされたインディーズミュージック・２〜
まじめなエントリ第２弾。
少し前の自分のエントリで「恐竜の首と尻尾の間にとりのこされたインディーズミュージック」というのを書いてちょっとばかしブクマがついたのですが、それに最近久々にコメントがついて、それに答えているうちに分量が多くなってコメントの返答として載せるのはもったいなく思ったのでエントリとして載せることにします。
名無し『海外ですが、アークティックモンキーズのブレイクみたいなことは
日本のインディで起こらないんでしょうかね。』 (2007/10/30 05:51)
知らない人のためにアークティックモンキーズのwikipediaの記述を載せておきます。
2005年1月、デモ音源が"The Sheriff"と名乗る1人のファンによってインターネットに公開されるや、たちまち話題沸騰となり、バンドは7月にインディーレーベルのドミノと契約（他にフランツ・フェルディナンドなどが所属）。 10月に1stシングル「アイ・ベット・ユー・ルック・グッド・オン・ザ・ダンスフロアー」をリリース。全英初登場1位とを獲得するとともに、1週間で4万枚を売り上げるという鮮烈なデビューを飾った。英国メディアはこぞって彼らを「オアシス以来の衝撃」と報じた。
コメントのポイントは
- インターネットに公開されるや、たちまち話題沸騰
- インディーレーベルのドミノと契約し、売れている。
これが日本でも起こりうるか、ということですかね。書いてから気づいたのですがどっちかというと１の話になってしまいました。２に関しては「ドミノ」というインディーズレーベルのプロモーションの仕方が素敵過ぎるからとしか言いようがないです。ｗ
http://www.dominorecordco.com/site/index.php?page=labels&labelID=19→ドミノの紹介ページ。英字なのでがんばらないと読めません。カジヒデキも関わったみたい。
確かにこんな大きくて世界をまたにかけたインディーズレーベル日本にはなかなかないですよね。それを生み出させない風土が日本にはあるのかな、とも思いますが。どうなんだろう。
ともかくアークティックモンキーズ、俺も一時期はまりましたねー。
バンプオブチキンとかロードオブメジャー、サンボマスターモンパチも元々はインディーズ出身じゃないですか。だからインディーズからメジャーになる可能性は十分にあるんですよ。ただここからのイギリスと日本の相違点って言うのは、プロモーターや、客・聴く側のクオリティなんじゃないかなと思いますね。いろんな意味で。耳の肥えた人が多いか少ないかの違いです。アークティック〜はメジャーになって多くの人に聴かれる事になっても音楽性をそれほど変化させなくても済んだし、それでも売れている。日本ではそうは行かない。ある程度大衆に受ける音楽でないと売れない。「売れるものだけをピックアップする傾向を強めている大手レコード会社･CDショップ」の存在感は異常です。一度ブレイクしてメジャーデビューしてしまうとそれまでの自由な音楽性が、彼らによって、より大衆向けになってしまう。しかも、そうしないと売れない。深夜番組がゴールデンに進出したとたん、いやらしい内容とかをどんどん削っていって、健全だけど面白くない番組になっちゃうのと同じ原理ですよ。
かといって、例に挙げられたアークティック〜や、初音ミク（例としてあげるのは微妙ですが）のように、ネットで火がつくって言うことも、日本では考えにくい。マスメディアのネガティブな言説によってネット=オタクというイメージが「過剰に」ついてしまった。だからこそ、少しばかりのムーブメントはあるとは言え、日本のバンドマンたちはネットを忌避したがる。そしてオタクもオタクで、そのことに自覚的というか、「コアなネットはオタクの住処なんだぜ」的な世界をまさに再構築してしまっている。
- 作者: 遠藤薫
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ネットの世界にはなかなか足を踏み入れることをためらわれ、かといってリアルで成功しようとすると上述のような末路が待っている。インディーズミュージックというものはつくづく不遇なもんです。
かなり話が広がってしまいましたがはたして回答になっているでしょうか。
