吉幾三動画とテグノのマッスアップが生み出す妙な感動についてのお話


"俺らこんな動画さ見るだ - 北の大地から送る物欲日記"

 詳しい動画の紹介はこちらのエントリに譲りますが、それにしても盛大に始まってますね吉幾三。この前のチーターマンのときの盛り上がりを軽く凌駕している。本当に何がはやるかわからんからニコ動は面白いなってつくづく思いますねー。
 それにしてもこれだけ吉幾三動画が絶賛開始中なのにはなにかしらのわけがあると思うんですね。たぶん「おらこんな村嫌だ」じゃなかったらそこまで伸びることもなかったと思うんですよ。今でこそマッスアップがすすんでいろんな動画が上がってますけど、この流行のはしりになった、下記3つの動画が吉幾三の方向性を決定付けたといっても過言ではないでしょう。
 何が言いたいかというと、テクノ+吉幾三のマッスアップが一番かっこいいし奥が深いよね、ってことなんです。
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 この3つがなんでこんなに新鮮にかっこよく聞こえてしまうのか。それは近未来ヤスタカテクノポップと、ど田舎紙芝居ソングとのギャップがあまりにもきつすぎて、逆にそれが妙な「スンクロ」を生んでいるのが理由です。
 思うに、テクノサウンド吉幾三のマッスアップに一番胸を打ち抜かれたのって、それこそ「おらこんな村いやだぁ〜」とか言う思いを抱いてはるばる地方から東京に出てきた層だと思うんですよ。
 テクノサウンドは、基本的に、全てが高度にシステム化された近未来や、大都会のイメージを想起させます。テクノを聞いてると、そういった近未来で無機質でシステマティックなサウンドに酔いしれますよね。
 かたや「おらこんな村〜」はごっりごりの田舎っぺソングです。田舎に対する不満と、東京で一旗あげるだぁ〜という思いと、どうしても抜けない田舎臭さが渦巻いてます。
 東京在住の地方の人にしてみれば、この二つの組み合わせって妙に心にしみるんじゃないでしょうか。
 若いころ、田舎で育った人たちにとって東京は憧れの地であり、誰もが夢を描いて上京してきます。それこそ吉幾三の境地ですよ。そこで昼も夜も眠らない高度でシステマティックな社会に出会って、これで自分も都会っ子の仲間入りだ!という気分になり、つい自分が東京に出てきたときの田舎くさい・無垢で純粋な情熱を忘れがちになっちゃうと思うんです。
 テクノ+吉幾三のマッスアップのすごい点は、まさに「完璧な計算で作られた楽園(perfume)」たる都会で生きている自分の現状と、「おらの村には電気がねぇ」田舎から上京してきたときの純粋な思いが同時に体験できるところなんです。自分は上京はしてないですけど、それでも聞いていてなんだか複雑な気持ちに襲われます。望郷の念、東京に出てきたときの自分の気持ち、都会の生活に浸り、都会で現を抜かす自分の現状、こんな思いが洪水のように一気にやってくる。これは誇張でもなんでもなく感動ものだと思います。ほんとこのマッスアップを考えた人天才だと思う。
 以上、ちょっと気になったのでどーでもいいことを真剣に考えてみました。